尿素SCRシステムとは?AdBlueの役割・DPFとの違い・警告時の確認ポイント

尿素SCRシステムとは?AdBlueの役割・DPFとの違い・警告時の確認ポイント

尿素SCRシステムは、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる 窒素酸化物(NOx)を低減するための排出ガス後処理システムです。

この記事では、AdBlue(アドブルー)の役割、DPFとの違い、 主な構成部品、警告が出たときの確認ポイントを解説します。

この記事のポイント

  • 尿素SCRは、AdBlueから生成されるアンモニアを利用してNOxを低減します。
  • DPFと尿素SCRでは、主に処理する対象が異なります。
  • 警告表示だけで故障部品を決めつけず、診断と点検で原因を確認します。

尿素SCRの仕組みとAdBlueの役割

SCRは、Selective Catalytic Reduction(選択触媒還元)の略です。 尿素SCRシステムでは、AdBlueと呼ばれる尿素水を排気系統へ噴射します。

尿素から生成されたアンモニア(NH3)を還元剤として利用し、 SCR触媒上でNOxを主に窒素(N2)と水(H2O)へ変換します。

基本的な流れ

  1. エンジンから排気ガスが出る
  2. AdBlueを排気系統へ噴射する
  3. 尿素からアンモニアが生成される
  4. SCR触媒でNOxを低減する
尿素SCRシステムでAdBlueからアンモニアを生成し、NOxを低減する流れ
図1:尿素SCRシステムの基本的な仕組み

AdBlueは、この反応に必要なアンモニアを生成するために使われます。 AdBlueそのものが直接NOxを取り除くわけではありません。

使用するAdBlueは、対象車両の取扱説明書やメーカーの指定を確認してください。

DPFと尿素SCRの違い

どちらも排気ガスをきれいにするための装置ですが、 主に処理する対象が異なります。

装置 主な対象 主な役割
DPF 粒子状物質(PM)・すす 粒子状物質を捕集・処理する
尿素SCR 窒素酸化物(NOx) AdBlueから生成されるアンモニアを利用してNOxを低減する

車両によっては、一連の排気後処理システムとして組み合わされています。 ただし、DPFと尿素SCRは同じ装置ではありません。

尿素SCRの主な構成部品

尿素SCRは、複数の部品や系統が連携して働きます。 構成は車種・年式・仕様によって異なりますが、主な役割は次のとおりです。

AdBlueタンク、供給系統、ドージングモジュール、各種センサー、SCR触媒などの構成例
図2:尿素SCRシステムの主な構成例。実際の構成・配置は車両によって異なります。
部品・系統 主な役割
AdBlueタンク 尿素水を貯蔵する
供給系統 AdBlueを噴射側へ供給する
ドージングモジュール AdBlueを排気系統へ噴射する
各種センサー 排気状態などを検知する
SCR触媒 アンモニアを利用してNOxを低減する

ドージングモジュールとNOxセンサーについては、関連記事で詳しく解説しています。

SCR・AdBlueの警告が出たとき

警告が出ただけでは、NOxセンサーやドージングモジュールの故障とは断定できません。

尿素SCRシステムには、部品・センサー・配管・制御系統などが関係しています。 似たような警告でも、原因が同じとは限りません。

原因となる系統を絞り込むには、次の情報を組み合わせて診断します。

  • 表示されている警告の内容
  • 故障コード(DTC)
  • 関連するデータ
  • 実際の点検結果

故障コードだけでも、特定の部品の故障を断定できるとは限りません。

SCR・AdBlue警告時に原因を診断し、交換が必要な部品の適合を確認する流れ
図3:SCR・AdBlue警告が出た場合の基本的な考え方

AdBlueを補充しても警告が消えない場合

補充後も警告が続く場合は、まず原因を確認することが大切です。 警告表示だけを根拠に、部品を交換することは避けましょう。

キャンターで補充後も警告が消えない場合の確認ポイントは、次の記事で解説しています。

部品交換前に確認したい情報

診断の結果、部品交換が必要になった場合は、購入前に適合を確認します。 同じ車種でも、年式・型式・エンジン・仕様によって使用部品が異なる場合があります。

適合確認に必要な情報

  • 車名・車両型式・年式
  • エンジン型式
  • 純正品番
  • 現在装着されている部品の品番

見た目が似ていても、品番や仕様が違うことがあります。 「車種が同じ」「見た目が同じ」だけで判断しないことが大切です。

品番・適合のご相談

太田美品通商では、車検証情報や純正品番、現物に記載された品番などから、 車両に適合する部品の確認を行っています。

購入前に、部品の適合を確認できます

車検証情報、純正品番、現物に記載されている品番などをお知らせください。

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この記事の要点

  • 尿素SCRは、AdBlueから生成されるアンモニアを利用してNOxを低減します。
  • DPFは主にPM・すす、尿素SCRは主にNOxを処理します。
  • 警告時は原因を診断し、交換が必要になったら車両情報と品番から適合を確認します。

参考資料

尿素SCRの基本原理と関連部品について:

車両ごとの確認について

本記事は、尿素SCRシステムの一般的な仕組みや診断の考え方を解説したものです。 実際のシステム構成、部品配置、警告表示、診断・整備方法は、車種・年式・仕様によって異なります。 点検・整備の際は、対象車両の取扱説明書・整備要領・メーカー情報をご確認ください。