DPF・DPR・DPDの違い|再生・洗浄・交換前の確認ポイント

排ガス・環境装置

「DPFの再生間隔が短くなった」「DPRの警告が消えない」「DPDは洗浄で直るのか」。トラックの排ガス装置を調べると、似た名前と「再生・洗浄・交換」という言葉が出てきます。

DPF・DPR・DPDはいずれも、ディーゼル車の排気に含まれる粒子状物質(PM)を減らす装置に関する名称です。ただし、同じ役割でも部品や制御は車両によって異なります。この記事では、呼び方と整備内容の違い、部品を手配する前の確認事項をまとめます。

DPF・DPR・DPDのリビルト品を取り扱い開始しました。

太田美品通商では、交換が必要と診断された車両向けに適合・在庫確認を承ります。部品手配に必要な情報はこちら。

気になる項目から確認できます

DPF・DPR・DPDは何が違う? 呼び方と共通の役割
再生しても詰まりが改善しない ススと灰、再生・洗浄・交換の違い
再生が頻繁/警告が消えない 本体と周辺装置の点検
警告が出ている・再生できない 取扱説明書の確認と工場への相談
交換部品を探している 品番・車両情報・現品写真

DPF・DPR・DPDの違いは?

DPF Diesel Particulate Filter。ディーゼル微粒子捕集フィルターの一般的な呼び方です。
DPR 日野・トヨタで使われる名称。Diesel Particulate active Reduction system。日野の資料では、PMを捕集・燃焼する装置として紹介されています。
DPD いすゞで使われる名称。Diesel Particulate Diffuser。フィルターにたまったPMを再生処理で燃焼させます。

共通するのは、排気中のPMを捕集し、蓄積したススを処理する役割です。三菱ふそうのDPF解説、日野のDPR解説、いすゞのDPD解説でも、この仕組みが説明されています。

一方、触媒とフィルターの構成、再生の制御、センサーの配置、取り付け形状などは、メーカー・年式・エンジンによって変わります。「同じDPF」「同じ車名」でも、現品品番と車両情報を照合して部品を選びます。

再生・洗浄・交換は、それぞれ何をする?

再生は、たまったススを燃焼させる処理です。走行中の自動再生や、車両の指示に従って行う手動再生があります。操作方法と実施条件は、対象車両の取扱説明書で確認してください。

フィルターにはススのほか、潤滑油などに由来する燃えない灰(アッシュ)も蓄積します。灰は通常の再生では燃やせないため、再生を繰り返しても取り除けません。米国EPAも、灰の蓄積にはフィルター清掃が必要になると説明しています。[EPA技術資料]

再生 主にススを燃焼させる処理。車両が正常に再生できる条件を整える必要があります。
洗浄・清掃 堆積物を除去する整備。取り外しの要否や施工方法、対応できる状態を専門業者・整備工場で確認します。
交換 点検の結果、清掃では機能を回復できない場合などに本体を交換します。内部の割れ・溶損といった損傷も確認対象です。

アッシュの除去には、対象フィルターに対応した設備・方法による清掃が必要です。清掃後は、通気状態や車両側の差圧などを指定の条件で確認し、十分に機能が回復したかを整備工場・施工業者が判断します。走行距離だけで洗浄や交換を決めることはできません。

洗浄・清掃は堆積物を取り除く作業であり、フィルターの溶損やクラック(割れ)そのものを修復することはできません。捕集機能に関わる損傷が確認された場合は、整備工場で交換の要否と範囲を確認してください。

再生はススの燃焼、洗浄は堆積物の除去、交換は本体の入れ替え。周辺装置の点検と適合確認も必要
整備内容の違いをまとめた図です。実際の処置は車両別の点検結果に従います。

再生が頻繁なときは、周辺装置も確認

再生に必要な温度が上がらない、センサーの検出値に異常がある、エンジン側でススが多く発生している。こうした状態が残っていると、本体を清掃・交換しても不調が続くことがあります。

例えば日野は、燃料添加弁を搭載する車両で、弁や取り付け部へのスス付着により燃料供給が適切に行われず、DPRの再生時間・再生頻度が増える場合を案内しています。[日野:燃料添加弁の点検・清掃]

  • 故障コードと発生時のデータ:消去する前に記録し、再生履歴や警告が出た条件と照合します。
  • 差圧センサーと配管・ホース:圧力の検出値だけでなく、配管の詰まりや漏れなども車両別の手順で確認します。
  • 排気温度センサーと再生に関わる装置:検出値や作動状態を点検。燃料添加弁などの有無は車種によって異なります。
  • エンジンの状態と使用状況:インジェクターの噴射状態、オイル消費、指定オイルの使用、短距離走行や再生中断の状況を確認します。

圧力・温度センサーの異常が再生不良に関わることはUDトラックスの解説にも記載されています。数値の良否は、測定条件と対象車両の整備基準に沿って確認します。

警告が出たら、表示内容を確認して相談

まずメーターの表示・点灯や点滅の状態を記録し、車両の取扱説明書で対応を確認してください。同じようなランプでも、車種や表示状態によって必要な対応が異なります。いすゞの案内も、対象年式のエルフを例にした説明です。[いすゞ:DPDランプ点灯時の対応]

再生が開始できない、完了しない、警告が消えない、出力が制限されている場合は、整備工場へ連絡してください。何度も強制再生を試したり、走行を続けて解消しようとしたりせず、車両の状態を伝えましょう。

再生中は排気系が高温になります。実施場所や周囲の可燃物への注意など、取扱説明書の指示を守ってください。また、再生の中断を繰り返すことが不調につながる例も案内されています。[日野:DPR手動再生を途中で中断しないでください]

AdBlue・尿素SCRとの違い

DPFなどが主に処理するのはPM、尿素SCRが低減するのは窒素酸化物(NOx)です。両方を組み合わせた車両でも役割が異なるため、AdBlueを補充すればDPFの堆積物がなくなる、という関係ではありません。[日野:DPR+尿素SCR]

関連:尿素SCRシステムとは?AdBlueの役割・DPFとの違い・警告時の確認ポイント

リビルトDPF・DPR・DPDの適合・在庫確認

太田美品通商では、DPF・DPR・DPDのリビルト品を取り扱っています。整備工場で交換が必要と診断された際は、交換部品の適合・在庫・納期をお問い合わせください。[取り扱い開始のお知らせ]

「DPF再生」と「リビルト品」は別の意味です。

車両で行う再生は、ススを燃焼させる処理です。リビルト品は、回収した使用済み部品を再生整備した交換用部品を指します。製品ごとの整備内容や付属品、保証条件は、ご注文前にご確認ください。

交換部品のお問い合わせには、次の車両情報・現品情報をご用意ください。品番や取り付け部が確認できない場合は、整備工場へ確認を依頼してください。

  • 車両情報:車名・型式・年式・エンジン型式・車台番号全桁。型式指定番号・類別区分番号も分かればお知らせください。
  • 現品品番:本体のラベル・刻印にある純正品番やメーカー品番と、文字が読める写真。
  • 現品写真:本体全体、フランジ・取り付け部、センサー取り付け部など。撮影は冷却後、安全に確認できる範囲でお願いします。
  • 交換対象:整備工場で交換が必要と判断された部品・範囲。

品番を照合したうえで、在庫・納期・価格をご案内します。センサーやガスケットなどの付属範囲、コア(交換後の使用済み部品)の返却条件、割れ・溶損などがある場合の取り扱いも事前に確認してください。

「洗浄で直るか」「どの部品が故障しているか」の診断は、実車を点検する整備工場へご依頼ください。太田美品通商では、交換が必要と判断された部品の適合・在庫・納期をご案内します。

ご注文前に、交換部品の適合確認を

車両情報、ラベル・刻印の品番、部品全体と接続部の写真で確認します。

適合確認フォーム LINEで適合確認 メールで適合確認

参考資料

資料ごとに対象車両・地域・発行時期が異なります。実際の作業は対象車両の最新の取扱説明書・整備要領を確認してください。EPA資料はススと灰の違いの参考とし、海外向けの清掃間隔を国内車両へ一律に当てはめていません。

アイキャッチはイメージで、特定の販売商品を示すものではありません。